Lesson11




12月24日・・・
タイタン・ハイスクールではクリスマス会が開かれ保護者が生徒たちの出し物を見に来る日だ。
ステージで歌を歌う生徒もいれば、ダンスを踊る生徒も居る。

リヴァイはと言うと、イベント後の清掃というのもあり清掃員室で時間を潰すのが毎年恒例だ。
終わるまでの間、リヴァイは本を読みながら紅茶を飲んでいるとコンコン、と控えめなノックが聞こえてきた。

「どうぞ」

本を目に落としながらそう返事をするとガチャ、と部屋に入ってきたのはナマエだった。
予想外の客人にリヴァイは驚くと

「・・・どうした?まだ終わってないだろ?」
「ハンジ先生が代わってくれて、来ちゃいました」

頬を赤くさせながらナマエはニコッと笑いかけてくる。クソ可愛い、とリヴァイは立ち上がると

「紅茶しかねぇが、飲むか?」
「はい!」

ポットに入れられた紅茶を注ぎ、ナマエはいただきます!と紅茶を飲む。

「はぁ〜美味しい。あったまる・・・」
「廊下は寒いからな」

この部屋も壁際にある古ぼけたオイルヒーターのお陰で暖まっている。ナマエはチラッとリヴァイを見ると、変わらず本に目を落として読書をしていた。


・・・あれから2週間が経過し、ナマエの額の傷も治った。あの時のタイミングでリヴァイとは恋人同士になり仕事終わりに食事に出かけたりなどごく普通の平和な日を過ごしている。

明日はリヴァイの誕生日・・・明日は土曜日で休みのため2人で過ごす。つまり初めてリヴァイの家へお泊まりになるのだが、ナマエは緊張でそわそわしてしまいコップを持つ手に力が入ってしまった。

「ナマエ」
「ひゃい!」

思わず噛んでしまい慌てて顔を上げると、ソファの肘掛に頬杖をついたリヴァイがこちらを見ていた。

「ど、どうしました?」
「ナマエ、お前・・・挙動不審だな?クソでも漏れそうか?」
「漏れません!」

全力で首を振るとリヴァイはハッと笑いテーブルに本を置き、ナマエの手からコップ取り上げてそれもテーブルに置く。 どうしたのだろうと首を傾げていると、肩を押されそのままリヴァイに押し倒されてしまった。

「へっ?」
「ナマエ、お泊まりセットは持ってきたか?」
「は、はははい・・・持ってきました・・・」
「いい子だ。家まで我慢しようと思ってたが無理そうだ」
「が、我慢? んっ」

顎を上げられるとそのまま唇が重なり、リヴァイの手がナマエの身体のラインを撫でる。

「ん、んんっまっ・・・」

唇が開いた瞬間を見計らってリヴァイの舌が入ってきた。そのまま絡め取られ、スカートの中に手が入ってきたので慌てて掴んだ。

「何だよ」
「何だよじゃないです!ここ学校です!」
「大丈夫だ、皆クリスマス会に夢中でこっちには来ねぇ。それにお前が入ってきた時に鍵も掛けた」
「いつの間に・・・でもっ、アレ無いですよね」

アレ、と聞いたリヴァイはああ・・・と作業着の腰に付いたポーチに手を触れると

「ゴムか。あるぞ」
「え?!」
「勘違いするな。トイレでおっぱじめるガキどもが居るから汚されたくねえだけだ。・・・それとも何だ、俺に抱かれたくねぇのか?」
「そんな事ないです! あ、いや・・・嫌じゃないです・・・あれ?」
「じゃあいいだろ」

そう言うとリヴァイはナマエの首筋に顔を埋めてペロリと舐めればナマエから「あうっ」と情けない声が出る。

「ま、待ってリヴァイさんっ・・・その、ちゃんとお家で・・・ダメですか?」

顔を真っ赤にさせて涙目で訴えかけてくるナマエ。その顔だけで再びリヴァイは理性を飛ばしかけてため息をつくと

「お前、そりゃ煽ってんのか」
「えっ?!喧嘩売ってないです!」
「その煽るじゃねぇ。ったく・・・」

リヴァイはナマエの前髪を上げると額に軽くキスを落とす。

「仕方ねぇ、家まで我慢してやるよ。」
「リヴァイさん明日誕生日だから・・・好きにしてください」
「っ・・・ああ、寝かせねぇからな」

突然大胆な発言をしたナマエにリヴァイは動揺しながらも返事をする。 ナマエは腕時計を見ると「あっ」と声を上げる。

「もう終わりですね、私そろそろ行きます」
「了解した。俺もそろそろ行く」
「はい。じゃあ、後で」

ナマエは小さく手を振るとドアの鍵を開けて清掃室を出ていった。




***



「悪いな、手伝わせちまった」
「いえ。二人でやった方が早いですよ」

助手席でナマエは拳を握ってニコニコと笑うと、リヴァイの口元も緩んでしまう。
ナマエの家は学校から徒歩10分ほど、リヴァイの住む家は学校から車で20分ほど・・・到着したのは一棟のマンションだった。

「えっ、リヴァイさんのお家ここだったんですか?!」
「ん?ああ」

ナマエもここで賃貸を探している時、何気なく「家賃が高い順」で検索したらトップに出てきたマンションだ。

ナマエの家の家賃何ヶ月分だろうか・・・と口をあんぐり開けていると

「清掃員だけの給料じゃここには住めねぇよ」
「へ・・・」
「投資とかまあ色々だな。」

最初はデイトレで生活をしていたが、人と話さない生活をして流石にこのままマズいと思ったリヴァイは求人サイトを見て学校の清掃員になったらしい。

「この間の人達は・・・?」
「ん?オルオ達か・・・昔の仕事仲間だな」

デイトレ、清掃員、リヴァイは謎が多すぎる。
しかし根掘り葉掘り聞くのも気分がいいものでは無いだろう。

ナマエはそうなんですね・・・と話を終わらせようとすると

「俺は物心着いた時には母親しか居なくてな、家は貧乏だったが叔父が大学まで通わせてくれた。卒業後は軍に入隊して満期迎えたらその後は腕を買われて傭兵に。 契約切れたら今度は叔父の手伝いで超暴利闇金融グループに入社した。辞めたあとはその貯金でデイトレ・・・で、今に至る」
「ん、ん?リヴァイさん・・・情報が多すぎます」
「そうか?」
「・・・とにかく、波乱万丈なのは分かりました」

闇金融・・・ドアを叩いて「とっとと金返せやぁ!」と怒鳴り散らすリヴァイを震えながら想像していると

「闇金グループの時に出会ったのがあのオルオ達だ。まあ、叔父の手伝いは気分がいいもんじゃなかったな・・・でも、借りに来る奴らは奴ら並に精一杯生きてる。だが追い詰めすぎると死ぬ前兆が分かっちまう」
「そう、なんですね・・・」

するとリヴァイはハザードをたいて車を止めるとナマエを見つめた。

「・・・ナマエ、俺はお前に隠し事がしたくないから全て話した。ずっと居たいからな。」
「リヴァイさん。話してくれてありがとうございます。嫌な事も思い出させちゃいましたよね」
「気にしなくていい。 アレはアレでいい経験だと俺は思ってる」
「色々な物を見てきたんですね。」

その言葉にリヴァイは前世の頃のナマエを思い出す。あの頃も今のナマエもポジティブだ。

「じゃあ次は私の話ですね」
「ああ」

リヴァイは僅かに微笑むとハザードを消してサイドブレーキを解除させると、ゆっくりと車を進めた。




***



「ひぃ・・・」

マンションの中はモデルルームのようだった。
フローリングはアメリカンブラックウォールナットの素材で、ヴィンテージ調の家具が揃えられている。

「ここはモデルハウスでしょうか・・・?」
「幼なじみでファーランって奴が居るんだがインテリアデザイナーでな。家具をお任せにしたらこうなった」
「お任せ!?すっごいオシャレですね・・・」


革張りのソファを撫でながらナマエは感激していると

「座ってみるか?」
「えっいいんですか?」
「ああ。別に減るもんじゃねぇ」
「じゃ、じゃあお言葉に甘えて」

ソファに座るとぼふっと沈み込み、ナマエはふかふかですね!と喜ぶ。
そんな姿を見てリヴァイも隣に座るとそのままナマエを抱きしめた。

「り、リヴァイさんっ!?」
「あ?もう学校じゃねぇんだ。良いだろ?」
「ごごご・・・ご飯は?」
「食事前の運動だ」

そう言うとナマエの唇を重ねソファに押し倒した。 大人しくなったナマエはされるがままにリヴァイに身体を撫でられたり脚を撫でられ、顔が熱くなる。

「ん、んんっふぁっ・・・ふっ」
「鼻で息しろ」
「んーっ」

その間にプチプチとシャツのボタンが外されてあっという間に下着が露になってしまった。レースであしらわれたピンクの下着が顔を出しリヴァイは目を細めると

「可愛いな」
「う、うう・・・いきなり過ぎて頭がついて行かないです」
「初めてか?」

そうなると話は別だが・・・リヴァイは聞くとナマエはふるふると首を振る。

「初めてじゃない、ですけど久しぶりと言いますか・・・元々その、前の人とはそんなに・・・」
「ヤら無かったのか」
「うっ・・・はい。なので、経験はほぼ無いです。リヴァイさん、私の身体やっぱ変なんですかね?」

前の恋人にも求められなかったのは何か原因があるのでは?ナマエは不安そうにリヴァイを見上げると

「変じゃねぇ、むしろムラムラする」
「ホントですか?!」
「ああ。 元彼がおかしかっただけだろ」
「そうなんですかね・・・」

少し安心したような顔を見せたナマエにリヴァイも安心すると

「ほら、お喋りは終わりだ。俺はそんなに我慢できる男じゃねぇ」
「ひゃあ!」

そう言うとリヴァイはナマエを横抱きして持ち上げるとそのまま寝室に雪崩込んだ。




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